2006年7月以来、レーゲンスブルクは”人類のユネスコ世界遺産”に登録されています。およそ1000もの重要建築物がひしめき合い、その様子は他では見られない独特な全景となっています。 代表的ガイドツアー「過去+現在=未来」に参加して、大聖堂、旧市庁舎、石橋とポルタ・プレトリアも全部含めて、旧市街を堪能して下さい。
シュタイネルネ・ブリュッケ(石の橋)
ドナウにかかる石の橋は、12世紀につくられた。現在でも車がはしり人がわたるほど、すぐれた構造である。橋の上のちいさな塔に「橋の小人(ブリュッケン・メンヒェン)」の像が、小手をかざしている。顔をむけている方角は大聖堂で、言い伝えによると建築家どうしがライバルだったので、橋をうけもったほうが「どこまでできてるか、いつも見てるぞ」と牽制(けんせい)するためにつくった、とされている。真偽はさだかではない。オリジナルは博物館に展示されている。橋から見る旧市街の夕景は、大聖堂や黄金の塔とよばれる都市貴族(パトリチア)の館などが残照をあびてうつくしい。
ヒストーリッシェ・ヴルスト・キュッヘ(歴史的名ソーセージの店)
市街側の川辺は石畳の波止場。市の城壁の石をつかって造ったちいさな小屋がある。小屋はソーセージを焼く煙りをモウモウとあげ、昼間は観光客でにぎわっている。14世紀にはここで荷役人夫にスナックを食べさせていた。ソーセージを焼くようになったのは19世紀から。17世紀の文献には、すでに小屋の存在が記されているから、歴史的であることはまちがいない。
大聖堂
ドーム広場に聖ペテロ大聖堂がある。バイエルン・ゴシック様式で13世紀なかばに建設がはじまり、1525年にいちおうの完成をみた。2つの尖塔(150メートル)がつくられたのは19世紀なかばで、バイエルン王の命令だった。聖歌隊席はたかい位置にあり、彩色ガラスの窓がうつくしい。「ドームシュパッツェン(大聖堂のスズメ)」とよばれている少年合唱団の、澄んだうつくしい歌声をきくことができる。カロリング王朝時代の礼拝堂や宝物殿もある。
旧市街
散策はビスマルク広場から始めるとよい。19世紀初頭につくられた2つの建物、プレジディアル宮殿と市の劇場がある。東に向かうとハイド広場にでる。ツム・ゴルデネン・クロイツという喫茶店はかっての都市貴族の館で、王侯貴族が宿泊した。皇帝カール5世(皇帝在位1520-1556)や宰相ビスマルク(1815-1898)も、かって滞在したことがある。
旧市庁舎
ラートハウス広場には旧市庁舎がある。それほど大きな建物ではないが、歴史的には重要な遺産。13世紀から18世紀にかけて増築されつづけた。いちばん古い部分は市の塔。建物の西側に、帝国議会の広間がある。上段の左右に市の紋章、中央に守護聖人ペテロが描かれている。皇子ドン・ファン・カルロスの像がちかくにある。
旧市街はちいさな通りが入り組んでいて、なかなかたのしい。テンドラー小路とクラム小路がまじわる場所に「ブロンベルクハウス」がある。皇子ドン・ファン・カルロスの母親バーバラ・ブロンベルクの生家。オスカー・シンドラーの住んだ家もちかくにある。
ケプラーの家
旧市庁舎からドナウに向うと、ケプラー通りにでる。現在は博物館。ケプラーは「ケプラーの三法則」で知られる17世紀初頭の天文学者。
トゥルン・ウント・タクシス宮殿
町の南、駅ちかくにある。侯爵家は19世紀に教区館を買取り、つぎつぎに手をくわえて宮殿とした。現在でも一族が住んでいるが、一部は見学できる。
ヴァルハラ神殿
町から11キロ、ドナウ渓谷にある。パルテノン神殿をモデルにした大理石の宮殿寺院。バイエルン国王ルードヴィッヒ1世の命によって、19世紀に建てられた。ドイツに栄光と名誉をもたらした人物125人の胸像と、64人の芸術家、学者の顕彰碑が飾られている。「栄光の寺院」ともいう。
ドナウ渓谷/アルトミュールタールとドナウ・ドゥルヒブラッフ
レーゲンスブルクの郊外には、バイエルンの森がひろがっている。深い森をつらぬいて流れるのがドナウ川。ドナウは地球誕生以来の花崗岩の地層やジュラ期の白亜の地層などをけずり、渓谷や断崖、絶壁、緑の丘、地味豊かな平原を生みだしていった。アルトミュールタールでは、うつくしい谷間の風景がたのしめる。ドナウ・ドゥルヒブラッフでは、両岸から流れをはさみつけるような白亜の絶壁がつづく。この絶壁が、中世のレーゲンスブルクに富をもたらした(歴史参照)。「ヨーロッパでもっともうつくしい渓谷」の認定書、ヨーロッパ・ディプロマをうけている渓谷美である。
ヴェルテンブルク僧院
ドナウ渓谷の岸辺にたつこのベネディクト派の僧院には、1050年に造られたドイツ最古のビール醸造所がある。アーサム兄弟によって建てられた。前廊と身廊はそれぞれ楕円形をしていて合体している。祭壇画は聖ゲオルグ。僧院まで遊覧船が運行されている。
知識を深めたい方へ
河出書房新社、「ドイツ古都物語」「ドイツ名景の旅」
日経BP社、「ドイツ・バイエルン州」「ドイツの田舎町」
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