ポルタ・ニグラ
古代ローマの遺跡「ポルタ・ニグラ(黒い門)」はトリアの象徴。2つの塔が両脇から拱門(アーチ)をがっちりとかかえこみ、その名のとおり黒々とそびえている。防御を目的とした門なので造りはいかめしく、地上からたちあがる第1層には窓がない。屋上からはモーゼル渓谷と対岸の斜面がよく見える。トリアのながい歴史の中で、ポルタ・ニグラはバジリカ(長方形の大聖堂)となったり、教会になったりしたが、19世紀にはもとのかたちにもどされた。散策はここから始めるとよい。ツーリストオフィスも、近くにある。
ハウプトマルクト広場
大通りのシメオン通りをまっすぐに進むと、ハウプトマルクト広場にでる。守護聖人ペテロの像をかかげる大噴水が中央にある。広場はロマネスク、ゴシック、バロックなどのさまざまな建築様式の家に囲まれている。
大聖堂
広場の東にある。原形はローマ皇帝となったコンスタンティヌス大帝によって、4世紀に築かれた。先に述べたように、コンスタンティヌス大帝は副帝としてトリアに6年間居をかまえ、ライン地方を支配した。後に西方ローマの皇帝になり、さらに東方ローマの皇帝と戦ってこれを破り、単独でローマ皇帝となってからは大帝と呼ばれた。
大聖堂の入口ちかくにある「大聖堂の石」は、ローマ時代の円柱の礎石である。ドイツ最古の教会となったのは11世紀から12世紀にかけてのこと。20世紀の後半には改修がくわえられて、現在の姿となった。
司教博物館
大聖堂のちかくにある。歴代の教会芸術品が展示されている。コンスタンティヌス帝の宮殿にあったフレスコ画が興味深い。描かれている婦人は、大帝の母の聖ヘレナと妃ファウスタとされている。
ライン州立博物館
町の南にある。先史時代からローマ時代の遺物や発掘品が展示されている。有名な「ローマのワイン船」もここにある。モーゼル川畔のノイマーゲン村で発掘された。ワインを船ではこぶ人々が石で彫られている。
カール・マルクス博物館
カール・マルクスは19世紀の経済学者。資本論や共産党宣言などの著書でひろく知られる。19世紀後半から20世紀をつうじて、社会主義の運動や国家建設に理論的な裏づけをあたえつづけた。生家はハウプトマルクト広場から、南西の方角に500メートルいったブリュッケン通り10番地にある。現在は博物館となっていて、原稿や書簡が展示されている。
ローマの遺跡群/皇帝浴場と円形劇場
皇帝浴場の遺跡はライン州立博物館のちかくにある。建設はコンスタンティヌス大帝時代にさかのぼり、規模もローマ時代で最大クラス。しかし、実際には使用はされなかった。 この遺跡から東に約500メートルいくと、円形劇場の遺跡がある。紀元100年ころの建造で、剣闘士の競技などが催された。2万人を収容。
モーゼル渓谷とワイン
「モーゼルは母」とドイツではいう。フランスのボージユ山脈からながれだすこの川は、複雑に蛇行しながら「父なるライン」にコブレンツの町でながれこむ。両岸の丘陵はワイン用のブドウ畑で、初夏ともなると一面の緑。秋の収穫期には黄金色におおわれる。古代ローマ人がもちこんだブドウは、モーゼル渓谷でいまなお風味豊かな辛口の白ワインを産みつづけている。トリアとコブレンツの間をのどかに航行する遊覧船で、モーゼルの風景とワインを味わうのもたのしい。
◆特集「モーゼル川クルーズ ~ブドウ畑と小さな町々を眺めながら」
知識を深めたい方へ
河出書房新社「ドイツ古都物語」
日経BP社「ドイツの田舎町」
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